25.10.29
読みもの
芸工大には、全国でも珍しいコースがあります??
それは、文化財保存修復コース。
「壊れたお宝を直す仕事でしょ?」
…うーん、半分正解!
だって、それだけじゃないんです。
今回は、ちょっとレアだけど超カッコイイ「文化財保存修復コース」の魅力をご紹介します!

芸工大の文化財保存修復コースでは、次のような分野を学べます?
■芸工大の文化財保存修復コースで学べる分野
実は、この分野を勉強できる大学は、国内でも数えるほど。
特に西洋絵画修復を学べるのは芸工大を含めてわずか2校と、超レアなんです???。
技術はもちろん、“モノ”に込められた「こころ」まで読み取り、未来へつなぐ力を学びます。
文化財保存修復コースの学びは、まさに“文化のタイムトラベラー”と言えるでしょう!
え?イメージがつかないって?
そんなあなたのために!今回は、文化財保存修復コースの中から、東洋絵画修復演習をご紹介します!
日本をふくむ東洋の美術品の王道ともいえる「掛軸」。
じつは、その修復の裏では、周到な準備が行われています?
突然ですが、ここで問題!
Q. みなさんは、次の写真を見て気づくことはありませんか?

???そうです、室内の照明が抑えられているんです!
では、続いて問題!
Q. 照明を抑えるのはなぜでしょう?(読み進めず、考えてみて!)
???これは、光を当てて異物を発見したり表面の変化を読みとったりするためです。
だって、異物に気づかず修復作業を進めてしまうと大変です。
例えば、小さな虫がいるのに気づかず、修復作業をしてしまった場合、その死骸からカビが発生したりします?
貴重な文化財ですから、徹底してチェックをしなければならないんですね?

何もないところをピンセットでつまんでいるようですが、小さなホコリがあったらしい。
こうして丁寧に丁寧に準備し、文化財の保存?修復が行われているんです。
見えないところに職人技が光る、まさにプロの仕事?
文化財保存修復コースの魅力がじわじわ広がってくる授業でした!

こうして初めて修復作業が行われます。これはこれで緊張???。
さらに、文化財保存修復コースでは、社会とつながりながら、様々なプロジェクトを手がけています??
例えば、
■山形県鶴岡市にある善宝寺の五百羅漢像の修復プロジェクト。

全531体!すべて修復し終えるには30年かかる予定。
■「文教の森ながい」所有の石膏像修復作業。

山形県長井市出身の彫刻家?長沼孝三の作品を修復。「本物」に触れるのはこのコースの特権です!
このように芸工大が社会とつながる実践的な学びができるのは、確かな技術があるから?

木製だと思ったでしょう???実はこれ、石膏に色と模様をつけたもの。高い技術にあいた口がふさがらない???。
では、なぜ芸工大ではそんなに優れた学びを提供できるのでしょう????
実は、大学で文化財を取り扱うのは、簡単なことじゃありません。
教える専門家はもちろん、さまざまな施設や設備が必要だからです?
だから、全国でも文化財を学べる大学が少ないんですね。
しかし、芸工大はその課題を乗り越えました?
それが、「文化財保存修復研究センター」の存在です。

宇宙船のコックピットじゃありません。文化財を透視する機械です。
この、文化財保存修復研究センターは、2001年に設立された芸工大の施設。
お寺や美術館?博物館からの依頼で文化財の保存修復を行っています。
なので、この施設で働いているのは、ホンモノの研究者???や修復家???たち。
つまり、文化財保存修復コースの学生は、日ごろからプロの修復家と同じ施設で、その技を目にしながら学んでいるのです!
これほど恵まれた環境で学ぶことができる大学は滅多にありません?
芸工大は、「文化財に本気」なのです。

芸術系大学としては国内で初めて導入されたX線CT装置。文化財の内部を透視できる。値段はヒミツ。

立体作品修復室。巨大な立体物も収容できるよう、吹き抜けになっている。20mほどあるそう。
文化財保存修復を学ぶということは、
文化財を、つくり、まもり、つないできた歴史の列に、自分もならぶということ。
そして、未来につなぐということ。

文化財保存修復コースついて知りたいことがあれば、ぜひ11月15日(土)に開催される秋のminiオープンキャンパスにお越しください?先生や学生と、直接話すことができます。また、山形駅?仙台駅からは無料送迎バスも運行しますよ??
ぜひ芸工大でお会いしましょう?